四柱推命で運気アップ!?あなたらしさを十干で表す、ヒーロー&ヒロインになれる香水10作品

皆様、新年あけましておめでとうございます。ライターの凜です。
本記事では、今年一年を自分らしく前向きに過ごせるように、四柱推命の十干にそれぞれぴったりな、特別なヒーロー&ヒロインになれる香水をご紹介しております。

それぞれ代表的な作品は1本のご紹介で、すべてユニセックスのものを選出しています。
ですが、お好みに合わせてお選びいただけるよう、他候補も同時にピックアップさせていただきました。

新年の四柱推命十干フレグランスを楽しんでいただけましたら幸いです。

こちらのサイトで生年月日(出生時刻はいりません)のご入力で日柱と書かれた部分の一番上の左側の漢字を使います。

 


四柱推命十干フレグランスとは?四柱推命と十干について 

四柱推命とは、中国の陰陽五行説を基礎においた、人の生まれた年・月・日・時間をそれぞれ四つの柱(よんばしら)に見立てて、60種類ある干支(かんし/えと)から割り当てた命式を用いて、その人の性質や才能、運勢などさまざまなことを推し量る占術です。

十干(じゅっかん)とは、「甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)」のことで、樹木や宝石、山などすべて自然界に存在するものです。
古代中国の殷王朝より暦の順序を表す記号として用いられ、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)と結びつき、「木・火・土・金・水(もっかどごんすい)」の五行に当てはめて、陰陽を兄弟になぞらえ、陽は兄(え)、陰は弟(と)と分けています。

十干は命式を読み解く際に最も重要となる、その人をその人たらしめるベースで、生まれ持った本質や性質の土台となります。例えば、甲ならば生命力の強い樹木のように感情もその場で出やすかったり、己ならば作物を育てる田畑のように面倒見が良いところなどが挙げられます。

四柱推命十干フレグランスでは、十干が示すその人らしい魅力が自然と発揮されるような、選りすぐりの作品をご紹介していきます。


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選りすぐりの四柱推命十干フレグランスと十干の解説 

1.甲(きのえ)~Alba di Seoul(Santa Maria Novella)~生命力あふれる真っすぐと立つ樹木~ハーバルウッディー/コロン

甲(きのえ)のキーワード

・感情表現が豊か
・曲がったことが許せない
・目標に向かって真っすぐと成長する

甲のヒーロー&ヒロイン:松岡修造さん、荒川弘さん、戸田恵梨香さん、天海祐希さん

甲(きのえ)は、五行のうち「根付かせる」役割を持つ「木」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陽(兄)」にあたり、「樹木」を意味します。

根を大地に張って根付かせて自立し、しっかりとした幹を持ちます。生命力に溢れた大樹の如く、常に目標に向かって努力を重ね、誠実に天に向かって真っ直ぐと成長していきます。幹のように芯が強い自我がある分、頑なに自分のやりかたを貫きがちで、しっかりしてそうに見えてボキッと折れると、しばらく立ち直れなくなる繊細な面もあります。

それでも甲の最大の魅力は、そうした人間味溢れた部分も含めた、何といっても生命力の強さ、喜怒哀楽の感情表現の豊かさです。

今回は甲の真っ直ぐと成長するエネルギッシュな生命力が最大限に発揮できるような作品として、サンタマリアノヴェッラのアルバディソウルをお届けします。

香りのノート

Top
グリーン

Middle
松(パイン)

Last
ウッディ

 

サンタマリアノヴェッラのアルバディソウルを付けると、ひんやりとした心地よい冷たさを感じる針葉樹の森林の香りが拡がります。松(パイン)を中心としたウッディと一緒に添えられているハーバル調の香りはラベンダーでしょうか。独特の甘みとひんやりとする芳香が感じられて、この他にも強めな清涼感もあり、これはペパーミントだと思います。

ラベンダーだけでは甘くて優しいだけで、主旋律の森林に添うようなひんやり感が足りませんし、ペパーミントだけでは鋭さが強く感じられてしまうであろう、そういう繊細な危うさがあります。ですが本作品は両者を採用しており、見事な調和のバランスとなっています。この細やかなハーブ使いは、まさにイタリア最古の薬局を起源としたサンタマリアノヴェッラならではの技です。

香り全体の印象としては、知性的でシャープな鋭さを時折垣間見せながらも、物静かで穏やかな優しさも感じられます。また、コロンであるために着け心地が優しくて、香りの変化も激しくないため、主張がそこまで激しくありません。そのため、揺るぎない自我を持って、ご自身の信じる道を真っすぐと進んでいく甲の在り方のノイズにならず、根詰めがちな甲に森林とハーバルが寄り添って応援してくれる作品です。

他の候補としては、もう少し男性的な力強さをお望みでしたら、ジョーマローンのイングリッシュオーク & ヘーゼルナッツが、もう少し甘やかでラベンダーに寄った方がよろしければ、同じくジョーマローンのシルバーバーチ&ラベンダーがよろしいかと存じます。

 

2.乙(きのと)~Alma(Fueguia1833)~野に群生する草花~ハーバルグリーン/オードパルファム

乙(きのと)のキーワード

・周囲と自然体で溶け込む力
・優しくて穏やかで忍耐強い
・良くも悪くも集団を中心に考える

乙のヒーロー&ヒロイン:青山剛昌さん、長嶋一茂さん、山口百恵さん、渡辺直美さん

乙(きのと)は、五行のうち「根付かせる」役割を持つ「木」に属し、陰陽の内側にエネルギーを放つ「陰(弟)」にあたり、「草花」を意味します。根っこを周囲へ根付かせることで、自然と環境に馴染んでいき、繁殖力強く群生していく草花です。

野に咲く草花のように伸び伸びと可憐に咲いて、その場にいる人を和ませたり、癒す力があり、穏やかで優しい気質の持ち主です。柔らかな草花の様子から繊細な印象を受けますが、何度踏まれても咲き続ける草花のような芯のある忍耐強さも秘めています。(雑草魂なんて言葉もありますね)

ですが、群生するために(=生き残るために)環境に馴染もうと周囲に合わせすぎて、我慢をしすぎてしまうきらいがあります。不安から集団になりがちで、人に依存しやすいところもあるでしょう。

そんな乙が、集団意識を大切に人と調和する持ち前の良さを活かしながらも、自分らしく咲き誇れる環境で楽しめるように、アルマ(フエギア1833)をお届けします。

香りのアコード

トニックノート : Manzanilla de Mahón(カモミール)
ドミナントノート : Jazmín del País(ジャスミン)
サブドミナントノート: Romerillo(這性ローズマリー)

 

アルマ(フエギア1833)は付けた瞬間から、野生の群生するカモミール畑が爽やかに、そして鮮烈に香りはじめていきます。可憐で可愛らしいフローラル感ではなく、むしろ、青々としたもぎたての野草、薬草のような苦みや茎を手折った時のような香り、植物そのものがしっかりと感じられる、落ち着いたハーバルグリーンです。

最初はカモミールが強く感じられますが、注意深く嗅いでいくと他のハーブや花の香りも漂っていたことに気づきます。ハーブの一種であるシャープで清々しい香りのローズマリーに、透明感を感じられる青みのある瑞々しい自然な甘さのジャスミンが合わさって香ります。

決してよくある一般的なフローラル香水の濃厚な甘いジャスミンの香りではなく、あくまでカモミールが主体でほんのりとまろやかな優しい甘さとして添えられているような感じです。(何名か爽やかながらもバターのような香り、クリーミーな甘い花の香り、練乳のようなミルキーな甘さもするとレビューで記載されている方がおられますが、このジャスミンのことだと思います)

少し時間が経って最初期の野生の植物の力強さが落ち着いてくると、大地のりんごの由来にもなっているカモミールならではの青りんごによく似た香りを感じるようになります。同時に奥に潜んでいた、先のまろやかな優しいジャスミンの少しだけふんわりとしたパウダリー感のある甘さも重なり、絶妙な植物の美しさが奏でられます。

本作品はそっと寄り添うように、穏やかな優しさで癒してくれるような香りでありながらも、植物の力強い生命力も感じられる野生に群生する草花という、乙そのものを体現しているようです。乙の柔和に見えて芯の強い部分や、人との和を大切にするあまりに環境に依りやすい繊細さにも癒して安らぎを与えてくれます。

他の候補としては、もう少し明るくて男性的な方がお好みでしたらシトラス感が強くてシンプルなジョーマローンのライムバジル&マンダリンが、もう少しフローラル感を足して女性らしい感じがよろしければ、ハーブ感が強くて花が見え隠れするサンタマリアノヴェッラのポプリがおすすめです。

 

3.丙(ひのえ)~Arancia di Capri(Acqua Di Parma)~世界を照らす太陽~シトラス/オードトワレ

丙(ひのえ)のキーワード

・すべてをくまなく照らす太陽
・温かくて明るいムードメーカー
・いつまでも忘れない子供心

丙のヒーロー&ヒロイン:麻生太郎さん、荒木飛呂彦さん、レディーガガさん、上戸彩さん

丙(ひのえ)は、五行のうち「照らす」役割を持つ「火」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陽(兄)」にあたり、「太陽」を意味します。

太陽は周囲を明るく、そして温かく照らします。暗闇で何も見えない筈だった世界の鮮やかな色彩を照らして私たちに見せるように、そこにいる人のことも照らしていきます。丙が居るだけでその場の空気があったまって明るくなるため、居ないと寂しいと思われるムードメーカーな人です。

また、もともとの世界の色彩を照らして明らかにするように、その人本来の魅力や意外な一面なども自然と引き出して、この人が居ると元気になると感じやすい人でもあります。

ただし、良いものだけではなく不都合なものも明らかにしてしまう性質もあり、そうした部分は人によっては強く刺さって思わぬ敵を作ってしまうなんてこともあります。また、丙の人は嘘が付けないところがありますし、強烈なパワーを自覚している故に、明るいムードメーカーで居なければと頑張りすぎてしまうところがあります。

今回はそんな丙の良い部分を引き出して、いつも周りを明るく暖かく照らす丙の方の心にも届くようなお日様のようなアランチャ(アクアディパルマ)をお届けします。

 

香りのノート

Top
イタリアンスィートオレンジ、イタリアンマンダリン、イタリアンレモン

Middle
プチグレン、カルダモン

Last
ムスク、キャラメル

 

アランチャ(アクアディパルマ)は甘くてジューシーなスィートオレンジとマンダリンに爽やかなレモンが魅力的な、太陽のように明るく鮮やかなシトラス作品です。オレンジジュースのような香りといった方が近いかもしれません。筆者もはじめて試した時に強く「太陽」を感じていましたが、レビューにおいても太陽をイメージする方が数名おられ、「太陽が丸ごと溶けた柑橘」とまで表現された方もおられました。

太陽を強く感じる理由としては、シトラスは明るさや温かみをダイレクトに感じられる香調であることに加え、本作で扱われているメインのシトラスがオレンジ、マンダリン、レモンといった素直で真っすぐに香るものだからでしょう。もし、シトラス香料として定番であるベルガモットがブレンドされていたら、もう少しエレガントな気品ある感じとなって、「太陽」ではなく全然別の香りになっていたかもしれません。その場合は、屈託のない無邪気さや純真な明るさがここまで表現されなかったと思います。

通常トップノートの香りはすぐに消えていくものですが、ミドルノートに移ってもスィートオレンジ、マンダリン、レモンがずっと香り続けます。ミドルに位置するオレンジの花ネロリに近い香りで、苦みのある甘いシトラスのプチグレンやスパイシーな香辛料カルダモンと同じくらいの強さで香ります。それらがトップのシトラスたちに奥行きや温かみを深めているような印象があります。

ラストノートになると、流石にシトラスは揮発しやすい性質上、だいぶ落ち着いており、パウダリーで肌馴染みも良いムスクが強く香りだして、くどくどしさがなくてすっきりとまとまっています。キャラメルもラストに入ってはいますが、グルマン香水のように激しい主張はせず、あくまで優しくて甘いオレンジ風味のキャラメルみたいで童心に帰れます。

温かく優しいひだまりのように香る本作品は、丙の人の本来持つ良い部分を自然と引き出してくれる香りです。頑張らなくてもありのままの丙のあなたのままで大丈夫。その場にいるだけで明るく暖かい気分になって、丙のパワフルさに時に圧倒されつつも和んで打ち解けていく。本作品は身に着けているご本人の心にも元気をくれる、そんな作品です。

他の候補としては、もっと持続性が欲しく男性的な要素に近づけたい、グレープフルーツがお好きならばグレープフルーツ(ジョーマローン)を、女性的な要素をお求めでしたら、オレンジブロッサム(ジョーマローン)をお勧めします。

 

4.丁(ひのと)~White Jasmine&Mint(Jo Malone)~優しく照らす月~ハーバルフローラル/コロン

丁(ひのと)のキーワード

・寄り添うように優しく照らす月
・穏やかな蝋燭に揺れる火の繊細さ
・鏡のように他者を映してばかりで自分を見失いやすい

丁のヒーロー&ヒロイン:羽生結弦さん、えなりかずきさん、浜崎あゆみさん、宇多田ヒカルさん

丁(ひのと)は、五行のうち「照らす」役割を持つ「火」に属し、陰陽の内側にエネルギーを放つ「陰(弟)」にあたり、「月」や「蝋燭の灯」、「鏡」を意味します。

火の性質らしく、丙同様に丁も周りを照らしますが、照らし方が大きく異なります。丁を象徴する火は、月、蝋燭に揺れる灯、鏡と優しいです。丁は控えめで自分から前に出るタイプではありませんが、そこに居たら癒されるし、その穏やかな優しさに救われる方も少なくはないと思います。自分のことよりも人のことを優先してしまい、鏡のように相手が望むことに合わせてしまう繊細さもあり、自分を見失いがちな十干でもあります。

今回はそんな優しくて穏やかな丁の方の繊細さを感じ取っていただけるような、ホワイトジャスミン&ミント(ジョーマローン)をお届けします。

香りのノート

Top
ミント、ベルガモット、カモミール、コリアンダー、カルダモン

Middle
ジャスミン、オレンジブロッサム、イランイラン、スズラン、ブラックカラント

Last
ティー、ベチバー、シダー、ムスク、プラム(ドライプラム)

 

ホワイトジャスミン&ミント(ジョーマローン)はホワイトジャスミンとミントの二重奏が織り成す、センシュアルでこの上なく優しい甘さながらも清涼感ある作品です。香りのノートにある通り、沢山の香料が入っていますが、ホワイトジャスミンとミントの香りが中心となっており、他の香料は明確に特定できずに本当に揺らいでおり、万華鏡のように多面的でキラキラとしています。

例えば、ホワイトティーやジャスミン茶などのティー、スパイシーさ(コリアンダーやカルダモンがトップに)、アールグレイ(香り付けに使われるベルガモットの香り)、ココナッツやチュベローズのようなミルキーな甘さ(恐らくイランイラン)など、人によって感じ方が変化していることがレビューからも分かります。

私の場合は終始ほぼホワイトジャスミンとミントしか感じられませんが、終わりの頃にホワイトティーを思わせる優しくて気品ある甘さを微かに感じます。フレグランスは人の肌質と体温によって左右されるものですが、本作品はそんな繊細さが顕著に表れます。そして、主旋律のホワイトジャスミンとミントの繊細さも大変優美です。

まるで、他者に対して繊細に揺らぐ蝋燭の灯のように自身を合わせて、鏡のように相手や場の真実を映して、それも、月のように穏やかに優しく照らす、そんな丁のような在り方の作品です。

ただし、丁のようにそっと持ち主の心に寄り添って癒してくれるような香りではありますが、強めのミントが凛と主張して香り続けています。そのため、丁の方の持つ繊細な優しさや寄り添う心を大切にしながらも、寄り添いすぎて自分まで見失ってしまわないように選出させていただきました。

他の候補としては、もう少し男性的な香りがよければ、ラベンダーがメインのアロマティックウッディーな月の神話のペンハリガンのエンディミオンコロンが、女性的に寄せたければ月の女神をモチーフの一つにしている、スミレを基調としたフローラルなペンハリガンのアルテミジアがおすすめです。

 

5.戊(つちのえ)~The Uncompromising Sohan(Penhaligon’s)~どっしりとした存在感ある山~オリエンタルアーシースパイシー/オードパルファム

戊(つちのえ)のキーワード

・どっしりとした存在感ある山
・山のように高いプライド
・兄貴肌、姉御肌、親分肌

丙のヒーロー&ヒロイン:藤井聡太さん、本田圭佑さん、北川景子さん、神田沙也加さん

戊(つちのえ)は、五行のうち「育む」役割を持つ「土」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陽(兄)」にあたり、「山」を意味します。

山は大きくて高く、とてもどっしりとした存在感があります。そのため、戊の人は高い山のようにプライドの高さもありますが、山のように動かない、不動の安定感もあるため、周囲からの信頼も自然と集まりやすいです。そんな山の育て方は、ライオンの子供を崖から突き落とすような感じに近く、優しいお母さんというよりは親分肌みたいな感じです。

不動の安定感ということは、山の人は変化や動くことを恐れて頑固になりやすく、思い込んだらそのまま突っ走ってしまいがちです。それは時に人の反感を買ったり、育む役割の面でも人の可能性を摘んでしまうことにもなります。冒険を始めたばかりの勇者に魔王を相手にさせるのはやりすぎですし、勇者がトラウマになったら、魔王討伐の旅そのものを辞めてしまうかもしれません。

今回は戊の方のどっしりとした安定感や周囲からの信頼感など良い部分を引き出しながら、沢山の人と分け隔てなく付き合えるような、決して妥協しない男の香り、湿った土のようベチバーとオリエンタルスパイシー、そして強烈な存在感が特徴的なアンコンプロミシング ソアン(ペンハリガン)をお届けします。

香りのノート

Top
ローズ、サフラン、ピンクペッパー

Middle
ベチバー、ラブダナム

 Last
ウード、サンダルウッド

 

アンコンプロミシング ソアン(ペンハリガン)を肌に乗せると、サフランとピンクペッパーが織り成す香辛料の癖の強いオリエンタルで強烈な存在感の嵐に圧倒されます。香辛料というのはそれ単体では飛びがちで、どこか香りが浮いているような良くも悪くも不安定さのある香料ですが、不思議な大地に立ってグラウンディングしているような安定感があることに気づきます。

それはミドルに位置するベースの香料であるベチバーの存在です。ベチバーはアーシーな湿った土を連想させて、とてもパワフルな存在感を放つ、随一のグラウンディングを意識してしまうような香料です。本作でも香辛料に負けずにベチバーの根は強く主張をしています。

サフランとピンクペッパーが少し落ち着いてくると、包まれていたローズが表れ始めていきます。凛々しくて力強くもローズなので女性的な甘さです。(それでも決してフェミニンとか可愛らしいとかそういう感じではないです)そのため、セレスでは本作品が男性の人物像をモチーフにしているのもあり、男性向けとしていますが、格好良い女性にも扱えるユニセックスな作品だと私は思います。

そのまま、レザーやムスクのような温かみと深みを兼ね備えたクリーミーな樹脂のラブダナムと合流しても、ベチバーは絶えずアーシーに香り続けて、香り全体のベースとなって支えています。アニマリックな香りと表現されている方がおられましたが、このラブダナムのことだと思います。

ラストになると、一番底に居たウードとサンダルウッドが主張をし始めて、ウードの濃厚さが中東やアラブを思わせる煌びやかでダイナミックな印象を受けます。。添えられているサンダルウッドの官能さがローズと重なると驚くほど魅惑的な表情も見せていきます。

アンコンプロミシング ソアン(ペンハリガン)は異国情緒でダイナミックかつ大胆なエキゾチックさもあり、身に着けるのに勇気がいる香りでありながらも、アーシーなどっしりとした安定感があるという戊にぴったりな作品です。

実は戊が沢山の人と分け隔てなく交流できるのは、山岳地帯は国境に位置することが多く、古くからそこで異国の商人同士の貿易が行われていたからです。その意味でも異国情緒なエキゾチック感は戊のイメージに合いますし、それ以上にダイナミックで大胆な存在感、何より土を感じられるという、この上なく戊らしさを活かせるのではないかなと選出いたしました。

他の候補としては、男性的により寄せていくならば、ベチバーが主役かつ渋みが強くより男性的な同じくペンハリガンのジ イニミタブル ウィリアム、女性的に寄せてローズ感を強めたければ、土埃を被ったようなローズをお楽しみいただける、バイレードのローズノワールがお勧めです。

 

6.己(つちのと)~Patchouli(Santa Maria Novella)~作物を育てる田畑~オリエンタルアーシー/コロン

己(つちのと)のキーワード

・世話焼きで人を育てる
・良くも悪くも人に寄りやすい
・母性

己のヒーロー&ヒロイン:林修さん、秋元康さん、高市早苗さん、研ナオコさん

己(つちのと)は、五行のうち「育む」役割を持つ「土」に属し、陰陽の内側にエネルギーを放つ「陰(弟)」にあたり、「田畑」を意味します。

田畑は手をかけて稲や作物を育てる場所です。土壌を耕し種を植えて、肥料も撒いて水をやりつつ、時に害虫や雑草から守りながら、大切に育てていきます。そんな己は田畑のように世話焼きで、母なる大地のように慈悲深く、人のことを優先してしまいがちです。

人を育むには自分の時間を消費する必要がありますが、人に寄りやすい己さんは特に、自分のための時間を他者のために使いがちで、行き過ぎると消耗して大きなストレスになってしまいがちです。大切な人に寄り添うのは素晴らしいことですが、時に成長や自立の機会を奪うことにもなります。植物に水をやりすぎると腐ってしまうのと同じように、甘やかされすぎて己の方に依存するなんてこともあります。

今回は己の方が大切な誰かだけではなく、誰よりも大切なご自身のことを大切にしていけるように、大地のぬくもりがストレートに感じられて、付けていると落ち着く気持ちになれるようなパチュリ(サンタマリアノヴェッラ)をお届けします。

香りのノート

Top
ベルガモット、ゼラニウム

Middle
パチュリ、 ジャスミン

Last
サンダルウッド、ムスク

 

パチュリ(サンタマリアノヴェッラ)をいつも肌に乗せると、「あ、これはパチュリの香りだ」と真っすぐと感じられる信頼感があります。墨汁の香りに近しい、湿った土のような、古びた書店の懐かしくてカビ臭い、どこか安心感のあるあの香りです。これは私がアロマテラピーを習ったことがあり、パチュリの精油を何度も嗅いだことがあるから感じることでしょう。

レビューでも墨汁のような香り、湿った土のような香りだと、落ち着くというご感想が数件見受けられており、他の方も似たような感想を持たれている方が複数人いらっしゃるようです。

本作品はパチュリという名の通り、ダイレクトにパチュリの香りが鼻腔に届きます。他の香料も入ってはいますが、全く感じられず、実質はパチュリのシングルノートのようです。精油のパチュリを香水にしてそのまま肌に乗せるような感じがします。

付けたてはパチュリの湿った土っぽさが強く香りますが、肌の体温に馴染んでくると、柔らかなパチュリの香りに変貌していき、大変心地よく感じられます。他の香料が一切入らない、精油単体のパチュリではこうはならないです。精油単体のパチュリよりも嗅ぎやすいとおっしゃる方もおり、アロマテラピーでもベルガモットやゼラニウムはブレンドの際にバランスを取ってくれる精油で、今回もパチュリ単体では強すぎる雰囲気を抑えてくれています。

ラストではサンダルウッドにムスクと、パウダリーで肌馴染みを良くする香料で幾分柔らかくなっており、湿った土でありながらも大地のぬくもりが感じられる、自然と安心できるそんな香りになっています。

パチュリ(サンタマリアノヴェッラ)は田畑の持つ土のぬくもりや母なる大地の恵みがパチュリによって表現された、とても柔らかくて優しい土の香りの作品です。普段、周りの方にたくさんかけている愛情や優しさを、まずはご自身にかけて欲しい、そして、そんな己さんそのものの魅力が周りの方に伝わるように選出いたしました。

他の候補としては、男性的な強さを増したければ、パチュリではなくベチバーですが、お香っぽさが強調されたルラボのベチバー46、もう少し甘さをお求めでやや女性的にするのでしたら、パチュリがメインながらもバニラの甘さが出てくるルラボのパチュリ24がお勧めです。

 

7.庚(かのえ)~The World According to Arthur(Penhaligon’s)~内なる激情を秘めた金属~オリエンタル/オードパルファム

庚(かのえ)のキーワード

・鉄の意思に鋼メンタル
・頑固一徹
・義理に厚い

庚のヒーロー&ヒロイン:羽生善治さん、松本潤さん、安室奈美恵さん、マツコデラックスさん

庚(かのえ)は、五行のうち「作る」役割を持つ「金」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陽(兄)」にあたり、「鉄」や「金属」を意味します。

また、頑丈な鉄や金属を熱で溶かして加工して鍛えて作ると、電車や戦車、斧、包丁、拳銃などにも姿が変わります。庚の人も自ら何かを作り上げていく、開拓精神に満ち溢れて行動力がとても高い方が多いです。

そして、庚の人は意思が固く、金属が一度溶かして決めた形に固められたらそのままのように、どんな困難に遭っても一度決めたことからは折れません。鉄の意思や鋼メンタルという言葉そのままです。

頑固すぎるのはたまにキズですが、庚の行動力や開拓していく力は随一で、一度身内と認めた相手のためには一肌脱ぐ義理の厚さもあります。

今回はそんな庚らしいアグレッシブさや内にこもる静かな情熱を引き出してくれるような、ドラゴンの炎をインセンスで表したようなミステリアスで静かな情熱もある作品を選びました。優しく賢者の知恵を持ち、家柄高く富を持っていながらも、叡智のためにキャリアを捨て東洋に旅立つほどの内に激しい情熱を秘めている人物アーサーを描いた、ザ ワールド アコーディング トゥー アーサー(ペンハリガン)をお届けします。

 

香りのノート

Top
インセンス、バニラ、グレープフルーツ

Middle
アンブレットシード、クラリセージ

Last
トンカビーン、インセンス、フランキンセンス

 

ザ ワールド アコーディング トゥー アーサー(ペンハリガン)はバニラとインセンスが中心で、ドラゴンが吐いた炎の煙をずっと嗅いでいるような、どこか東洋的(オリエンタル)で神秘的な作品です。

トップの付けたては漂うインセンスに包まれたバニラの香りがスモーキーに甘く香りながらも微かに爽やかさを感じますが、これはグレープフルーツでしょう。ドラゴンが炎で草原を焼いた後の香りや薬草のような香りと連想された方もおられるようですが、こちらはハーブのクラリセージの仕業でしょう。私の肌(体温高めです)では、エレガントに甘く香りつつも硝煙っぽいスモーキー感が強く感じます。体温低めな方だと爽やかなグレープフルーツが強めでバニラは控えめだと思います。

少し時間が経つとトップのグレープフルーツの爽やかなシャープさは落ち着いてきて、徐々に香りの重みが増してきます。インセンスにレザーが混じったようなエレガントな香りが漂うのは、植物性ムスクとして知られるアンブレットシードがレザーのアニマリックさを思わせるからでしょう。上品な甘さのバニラと一緒に香ります。

しばらく時間が経過してラストノートになると、レザー感も和らいで代わりにトンカビーンが優しい甘さを放ち、バニラと合わさるように上品に香ります。トップでもあったインセンスがラストでも登場し、相変わらずスモーキー感は強く煙のような香りのまま変わらずです。そこに聖なるフランキンセンスが上品な甘さの煙に神秘的な神々しさを加え、高貴さも添えて、ずっと肌の上でドラゴンの炎の煙は尽きるまで香っていきます。

ザ ワールド アコーディング トゥー アーサー(ペンハリガン)は香りがドラゴンの炎の煙のようだとお伝えしてきましたが、液まで燃えるように赤く(白い服を着ている時はご注意を)、内に情熱を秘めた庚によく似合う作品だと存じます。アーサーは架空のキャラクターで生年月日など解りませんが、良い家柄に生まれ法律家のキャリアを捨てて、叡智を得るために英国から東洋に旅立つエピソードが非常に庚の在り方に近いです。

実は庚の十干ナンバーワンの行動力の高さも、意思とメンタルの強靭さも、そして義理の厚さもすべては愛が原動力です。人類愛や社会愛、組織愛など大切なものを守ったり、自分の中で譲れない思いを貫きたいからこそ行動力も高く、精神面も強靭なのです。そのため、本作品はアーサーの人物像や香りが、庚にぴったりだと選出しました。

他のお勧めは、ユニセックスであれば(本作品が男性よりなので今回はユニセックスのものと女性向けのものをご紹介しています)バニラとインセンスがメインは変わりませんが、オレンジの花が入ってより甘さが際立ち、グルマン的な要素が強まった、同じブランド別ラインのオー ジ オダシティ(ペンハリガン)、女性向けでしたら、同じくペンハリガンのポートレートコレクションから、こちらも庚っぽい内なる情熱を秘めた高貴なる貴婦人の矜持が感じられるヒヤシンスが主役の珍しいパウダリーフローラルなザ リベンジ オブ レディ ブランシュ(ペンハリガン)です。

 

8.辛(かのと)~Oud(Maison Francis Kurkdjian)~繊細で自身を研磨する宝石~オリエンタル/オードパルファム

辛(かのと)のキーワード

・繊細
・足りてないと思い込みがち
・比類なき底力

辛のヒーロー&ヒロイン:イチローさん、小泉純一郎さん、吉田沙保里さん、指原莉乃さん

辛(かのと)は、五行のうち「作る」役割を持つ「金」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陰(弟)」にあたり、「宝石」を意味します。宝石は石を割って出てきた原石を研磨していくことで、美しく輝いていき、価値が作られます。

そんな宝石のように、辛は常に自分を磨き続ける努力家です。自分に対する評価が厳しい方が多く、実際には周りから見たら評価を得られているのに、自分ではまだ足りてないと思いがちな側面があります。

また、磨く前に岩石から割られないと原石は出てこないため、一度割られる必要があり、そのため、辛の人は強烈な経験をすることが多いです。それでも辛は十干随一の底力があり、逆境を超えて、さらに前よりも美しく輝いていく力があります。

今回はそんな辛が持ち前の美しさを自然と発揮していけるような、サハラ砂漠の砂嵐の中、幾千の星々が輝く紺碧の夜空のもとで、満月に照らされた黄金の宮殿が奏でる繊細な物語のように、香りのダイヤモンドと呼ばれるウードが主役の香水、ウード(メゾンフランシスクルジャン)です。

香調

インドネシア産パチュリ、アトラス産シダーウッド、サフラン、ウード(ラオス産アガーウッド)、エレミ

 

ウード(メゾンフランシスクルジャン)は香りを肌に吹き付けた瞬間から、静かな澄んだウードの香りが拡がって夜空の星々が浮かび、この静寂さはどこか無機質な建造物のような感じがする神秘的でオリエンタルな作品です。

中東のオリエンタルなイメージやお香を焚いたような匂いに、静寂なウードが佇むなか、アトラス山脈の杉、シダーウッドが樹木の温かみを、インドネシア産のパチュリが墨汁のような静けさを同時に添えて、心にも静寂さを与えます。

少し経って肌に馴染んできた頃に、香辛料サフランの華やかさと樹脂でありながらシトラスのレモンのような香りとスモーキーさを併せ持つエレミの明るさが繊細に差し込んで、黄金の宮殿や夜空に浮かぶお月様がそのまま連想されていきます。

シングルノートで香調の変化がないため、ずっと肌の上で完成された物語が美しく香ったままなのも嬉しいポイントで、本当に素晴らしいです。毎回本作品をつけて味わうたびにクルジャンの情景描写の繊細さに驚かされます。

ウード(メゾンフランシスクルジャン)は澄んだウードの厳かな濃厚さに、寄り添うように温かみあるウッディーなシダーウッドと土や墨汁の香りのような静謐さあるパチュリ、甘くて辛さもあるスパイスサフランやシトラスっぽさもある樹脂エレミが複雑に絡み合いながらも透き通っている純粋な宝石のような作品です。

辛は人一倍努力家で自分にストイックだから、足りてない部分ばかりに目が行きがちで他者や外側に答えを求める弱さもあるけれど、実はもう自分の内にあって、全部持っています。本作品は内に向かっていく、内側と向き合っていくような静寂の作品で、そんな辛の在り方に寄り添ってくれるぴったりな作品だと選出させていただきました。

他の候補としては、もう少し男性的に寄せた格好良いウード香水がお好みでしたら、本作品とは対極ですが、典型的なゴージャス感あるアラビアのような作品、トムフォードのウードウッドが、もう少し女性らしくて可憐な感じがお好みでしたら甘いオリエンタルフローラルにはなりますが、クリードのロイヤルプリンセスウードがお勧めです。

 

9.壬(みずのえ)~Chamber(Fueguia1833)~慈愛の海も嵐の海も同じ浸透する大海~アクアティックグリーン/オーデパルファム

壬(みずのえ)のキーワード

・影響力が大きい
・自ら流れを止める
・慈愛の海

壬のヒーロー&ヒロイン:大谷翔平さん、阿部寛さん、広末涼子さん、石原さとみさん

壬(みずのえ)は、五行のうち「拡げる」役割を持つ「水」に属し、陰陽の外側にエネルギーを放つ「陽(兄)」にあたり、「海」を意味します。

海の流れは止まるということはなく、絶えず流れ続けて浸透し続けていき、大海というものは総じて我々に大きな影響を及ぼします。壬の方も海のように影響力が大きい方も多く、大海原の如く存在感もあります。

また、そんなご自身の影響力を自覚している壬の方は自ら流れをせき止めるように、人や場に対してあまり立ち入りすぎないようにする方もいますが、慈愛の海だからでしょう。

海が荒れると津波となってすべてを押し流して生命を奪うこともありますが、生命を生みだすのも海です。

今回は壬のような、つかみどころがない波のような部分や存在感、影響力の大きさが感じられる作品として、湖の底の大理石の香り、複雑なハーバルグリーンのチェンバー(フエギア1833)をお届けします。

 

香りのノート

トニックノート:Fondo de Lago(湖の底)

ドミナントノート:Barba de Viejo(サルオガセモドキ)

サブドミナントノート:Mate Leaf(マテの葉)

 

チェンバー(フエギア1833)は、メインの香料に世にも珍しい湖の底の香り(底に沈む大理石)と、パタゴニア(南アメリカ大陸の最南端)に生息する空気を浄化する菌類の植物であるサルオガセモドキが扱われており、どこか異彩を放っています。

嗅いだ瞬間に湖の底にトリップするような、大理石のように無機質で湖の底のようにひんやりとしたどこか不可思議な香りが拡がります。アクアティックグリーンと香調に記載していますが、決してよくある甘い典型的なマリン系のような香りではなく、同様にナチュラルで爽やかなグリーン系ではないことをお伝えします。

冒頭で本作品はどこか異彩を放っているとお伝えしました。そう、決して他にはない、湖底の大理石や菌類の植物が表現する、苔むした湖の世界の作品なのです。複雑でグリーンなパタゴニアの植物の青っぽい苦みと甘さ、吹き付けた瞬間にその場の空気をも浄化し、自然と体感温度が下がるような湖を身体で感じられる、そんな香りを私はまだ他には知りません。

存在感ある香りには二種類あると思っています。一つ目がパワフルさやダイナミックさ、華やかなゴージャスさで魅了する香り。今回の戊の時に挙げた作品がそうです。そして、もう一つが、力強さや大胆さ、ドラマティックさなどではなく、圧倒的な異質さ、それならではの強烈な独自性ある作品となります。今お届けしている壬の作品がそうです。

そのまま姿が最初から大きく見えている山のように、表で活躍していついかなる時も威風堂々と目立つ戊。そして、海は目立ちますが、その場で姿を自由に流れとして変えながら、然るべき場(大谷選手にとっての野球の試合のような)で大波の如く人目を奪いながらも、普段はどちらかというと寡黙で穏やかな波のように静かにしており、突然大波になるからこそ誰よりも影響直が大きい壬。

最も存在感ある十干は山の戊と、海の壬と考えておりますが、別ベクトルの意味で存在感が両者にはあります。壬の場合は「存在感」というよりも、「影響力」という方が適切でしょう。

チェンバー(フエギア1833)を壬のフレグランスとして選出したのは、「異彩」だけではありません。また、湖の底の香りを表現しており、実は海以外も大河や湖なども壬に含まれますが、最大の理由は「影響力」です。

チェンバーの香りは不思議な作品で、いつも心をニュートラルに戻してくれる力があります。気持ちが高揚しすぎている時は落ち着けてくれて、逆に塞ぎこんでいる時や不安な時は和ませてくれる、そんな作品です。これは、壬の人に近いのではないかと私は思います。

場の空気を調和させるようにスッと水のように浸透させていく、そんな部分が壬の側面の一つだと思いますし、壬の人が居るから成り立っていることもあるでしょう。壬の人は影響力が確かに大きいけれど、正しく使えば素晴らしい海の慈愛をもたらすと思います。

他の候補としては、男性向けに寄せるならば、図書館のような香りで知性的な男性をイメージしやすく、五行の水は知性とも結びつくため、同じくフエギアのビブリオテッカ・デ・バベルを、女性向けに完全に寄せるならばパウダリーフローラルの海の慈愛の側面として、クリードのラブインホワイトも良いと思います。

 

10.癸(みずのと)~Pluie Sur Ha Long(ELLA K)~ずっと降り注ぐ優しい雨~ウォータリーフローラル/オードパルファム

癸(みずのと)のキーワード

・落ち着いていて優しい
・集中力
・忍耐力が高い

癸のヒーロー&ヒロイン:堀江貴文(ホリエモン)さん、宇野昌磨さん、小倉優子さん、長澤まさみさん

癸(みずのと)は、五行のうち「拡げる」役割を持つ「水」に属し、陰陽の内側にエネルギーを放つ「陰(弟)」にあたり、「雨」を意味します。雨はひとつひとつは小さな水ですが、必ず束になって降り注ぐ性質があります。

雨はずっと同じ場所に集中的に降り注ぐことから、(集中豪雨なんて言葉もありますね)コツコツと積み重ねて努力する集中力が癸の方も高いです。また、同じ場所にずっと降り注ぎ続けるには忍耐も必要です。

癸の方は堪え性で忍耐力もとてもあり、実はそれが行き過ぎると自己犠牲となっていきます。陰のエネルギーの性質上、陰のエネルギーを持つ十干は内側に放つため我慢してため込んでしまうのもありますが、小雨の優しい雨のように慈悲深い方も多いため、どうしてもその傾向が癸さんは一層強くなります。

しかし、どんなに我慢強くとも限界はあります。限界を超えた場合、今まで堪えていたものを対象に全て雹のようにぶつけていきます。そして、それはすぐ終わるものではなく、普段の雨のようにずっと降り続けています。また、雨は上がったと思っても、また降りだすということもよくありますが、集中力や忍耐力の強さが悪い形で出てしまうからです。

ですが、癸さんは本来的には落ち着いている方も多く、慈悲深くて自ら攻撃することや些細なことで怒ることは基本的にはあまりありませんし、癸さんがそうなるという時は本当に自己犠牲が行き過ぎた限界の時だったのでしょう。

また、この忍耐力と集中力の高さ、努力も出来る部分ですが、もちろん、良い方向に活かすこともできます。

例えばヒーローの中の堀江貴文さんは、獄中にいながらも面会しに来たスタッフを通じて、有料メルマガで年収6000万円以上を当時稼いだり、出所した今は莫大な富を築きあげています。これは並大抵の努力や忍耐力、集中力では成し得ないことだと思います。なので彼の十干が癸と知った時は思わず納得してしまいました。

今回はそんな癸の忍耐力や集中力に加えて、もともと持っている繊細な優しさを引き出してくれるような、雨の香りの作品、ハロン湾の雨(エラケイ)をご紹介いたします。

 

香りのノート

スイレン、マグノリア、ムスク、ベリー(レッド)、ルバーブ、ネロリ、オークモス(ホワイトモス)、シクラメン

 

ハロン湾の雨(エラケイ)は付けると水辺に咲く睡蓮の芳香が霧のように拡散されたのをはじまりに、マグノリア、オレンジの花のネロリ、シクラメンといったパウダリーで白い花々が幾重にも重なり合っていきます。花々は濃厚で甘美だけどあまりに清廉だからか、心が浄化の雨に洗われるような気分にさえなります。

ベトナムにあるハロン湾の雨を調香師は表現しており、水辺の清廉さと湿気の強さを表現しているからか、清らかでしっとりともしていて、梅雨の時期に香水を付けたら、確かにこんな風に香るだろうな、となる香り方まで再現までされています。

レッドベリーやルバーブなどフルーティーな香料も混じっていますが、あくまで白い花々の透明感や繊細さに寄り添うように甘さを添えているからか、グラデーションのように気品を保ったまま美しく香っています。

生花のような花々の香りが強いため、女性向けと思われがちですが、爽やかな甘さの奥に「龍が降り立つ場所」であるハロン湾の神秘的な情景が浮かび、そんなミステリアスな格好良さも素敵で、男性が付けるのも良いと思います。

ハロン湾の雨(エラケイ)は文字通り、タイトルにも雨を意味する癸の要素があり、作品自体も雨が降り注いだ情景が浮かんだり、特に梅雨の湿気の時の香り方に感じられる表現が素晴らしいです。幾重にも重なる白い花々や寄り添う果実に、強い甘さがありながらも透明感があって清廉で神秘的な側面もある、落ち着いた美しい香りで、調香の繊細さも含めて、繊細で落ち着いた優しさの癸みたいだと選出させていただきました。

他の候補としては、もう少しフローラルの甘さを抑えて、さらに男性でも付けやすいユニセックス作品ですと、冬の温かい水を表現したパウダリーで清潔感のある優しいフローラルのフレデリックマルのロー ディベール、シトラスが強調されるムスキーシトラスフローラルの爽やかに煌めくかのような万物の水を表現した、メゾンフランシスクルジャンのアクアユニヴェルサリスがお勧めです。

 


以上、四柱推命の十干別にそれぞれの五行における役割と個々の特徴から、十干ごとの良さを活かすためにも、まずは象徴しているご自身そのものを体感していただこうと、四柱推命十干フレグランスをそれぞれご紹介させていただきました。

気になる異性や仲良い友達の命式も気になるかと思いますが、まずは何よりもご自身ファーストです。

四柱推命の十干ごとに象徴されているそれぞれの作品を身に纏うことで、もし、今年一年を豊かに過ごす一助となったならば、四柱推命を勉強しているものとして、また、香水歴の長い人間としてもこんなにうれしいことはありません。

今年一年も良い年になりますように。



香水を愛してやまない某IT企業Webライター。
大学の頃にラルチザンのヴォルール・ド・ローズに出会い
衝撃を受けて以来、香水愛好家となって10年以上を経る。
そのため、IT企業でのライター経験を活かし、
愛する香水のことを発信するライフワークも始める。
初恋はラルチザンのヴォルール・ド・ローズで
今の恋人はFueguia1833のChamber。


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